当店では,機械による大量生産を行わず,県内産を主体とする原料にたっぷりと手間と時間をかけ,昔通りの製法と昔通りの木製の大桶で,自然の力(熱)をもとに製造しています。昔ながらの醤油・味噌の醸造技術は伝統的な産業文化であるとの観点,および,できるだけ自然の力による食品製造が望ましいとの観点から,昔通りの製法と道具による醸造・製造方法を保持しています。
春
仕込み:米麹の作成(工程1〜7)
味噌の仕込みは,1年に2回(もしくは3回),3月頃,5から6月頃(+10月から11月頃)に行われます。味噌の主原料は米麹と大豆であり,仕込み作業は,「米麹の作成」と「豆煮と米麹との混合」とに分けられます。
工程1:洗米
工程2:蒸米
工程3:麹の種付け
右側写真:洗米して一晩水に浸した米を甑で蒸らします(蒸米)。
左側写真:蒸米を床に広げて冷やし,平らに盛って,種付け(篩を使って麹菌を均等に撒く)をします。
左下写真:麹菌がすべての米粒によく付着するように,端から手でほぐし,かき混ぜていきます。
工程4:麹室への盛り込み
工程5:麹室にて米麹の作製
工程6:麹出し
工程7:米麹と塩の混合
仕込み:豆煮・米麹との混合(工程8〜11)
工程8:洗豆
工程9:豆煮
工程10:大豆潰し
工程11:米麹との混合
右上写真:
高温に保たれた麹室の中の様子。麹菌を付けた米を右側の箱に詰めて,一昼夜麹菌の活動開始を待ちます。その後,左上の木の折の中に広げて入れ,手入れ(手での攪拌)をしながら米麹の完成を待ちます。
右側写真:完成した米麹を折ごと麹室から運び出します。
上写真:麹室から運び出された米麹を崩して床に広げ,塩と混ぜます。右側写真:米麹を米粒単位によく分離させるため,および米麹と塩をよく混ぜるため,端から手でほぐしていきます。
右側写真:大豆を洗い,大釜の中に運び入れます。
一晩大豆を水に浸した後,大釜(和釜)で大豆を煮ます。
右側写真:潰した大豆を床に広げ,十分冷ました後,工程7で作成した米麹と塩と一緒に混合機に入れて,混合します。
右下写真:混合した後,再び床に広げ,十分冷まします。その後,樽に入れて,味噌桶の中に運び入れます。
大釜で煮た大豆を潰します。
右上写真:大釜で煮上がった大豆を柄杓ですくい上げます。
右側写真:煮た大豆を樽に入れて運び,チョッパーで潰します。
桶での発酵(工程12〜13)
工程12:桶での発酵
工程13:天地返し
完成
右側写真:完成した米麹は樽の中に入れて保存します。
右側写真:大釜で大豆を煮ている様子。木の蓋の上には石の重しを載せます。煮立ち始めると黄色い煮汁が流れ出ます。
桶に仕込まれた味噌は。春から夏にかけて上昇する気温(自然の熱)によって,発酵,熟成していきます。
右側写真:味噌が仕込まれた桶。桶での発酵の間,味噌の上には落とし蓋が被せられ,その上に石が積み重ねられます。
発酵の状況により,場合によっては桶の下部の味噌と上部の味噌を入れ替えることがあります。これを天地返しと言います。
下写真:上の石と落とし蓋が取り除かれ,完成した味噌を上から掘って取り出します。
夏
秋
完成後随時
越後高田醤油味噌天然醸造工房